業務改善の他社事例を活用する方法は?アイデアを参考にしよう
2020/01/16 業務改善業務改善を試みる際に、どこから改善していけばいいのか? 疑問に思う担当者の方も多いでしょう。
業務改善の有効な方法として、他社の事例を参考にして自社に組み込んでいく方法がおすすめです。
そこでこの記事では、他社事例を活用する方法やポイントについて解説します。
具体例で考える業務改善プロセス
業務改善と一口に言っても、経費・技術・人員・売上など、改善の課題はさまざまです。ここでは、経費に対する業務改善プロセスについて、順を追って検証していきましょう。
経費削減を目標とする場合
経費削減は、あらゆる企業にとって大きな課題の一つと言えます。なぜなら経費の削減は売上増加よりも増益につながるケースが多いからです。
例えば、ある会社で500万円の利益が出ているとして、経費が400万円の場合、利益率は20%となります。
仮にこの会社が50万円経費を削減したとすれば、利益率は一気に30%になります。
このような経費削減を行う場合は、どのようなプロセスを辿れば良いか、次から詳しく見ていきましょう。
現状把握と具体的な解決策を決定
まずは、現状の把握について考えていきましょう。問題点の選出には『ECRS』というフレームワークが有効です。
- Eliminate:既存業務の何かを削除する
- Combine:業務を一つにまとめる
- Rearrange:業務の順序や方法を変更する
- Simplify:業務を単純化する
こうして分類していくといろいろと見えてくるはずです。若い番号順を優先させると、大きな経費を削減できる可能性が大きくなります。
問題点が見つかったら、具体的な解決策の決定に移っていきましょう。
解決策の実行方法を考える
解決策を考えるのであれば、『ロジックツリー』を使うのが有効です。
ロジックツリーとは、『問題点』と『問いかけ』を繰り返し、そのプロセスをつなげていったものを指します。
例えば、『商品が売れない』という問題点に対し『高額』→『原価が高い』→『原材料を安くする』といったように、何度か問いかけを繰り返すことによって具体的な解決策にたどりつきます。
問いかけの回答の方が多くなり、下に向かって図の横幅が広がっていく形状が木の形に見えることからこのように呼ばれています。
他社事例を活用する方法は?
業務改善の具体的な解決策について、他社が実際に使った事例の中から使いやすいアイディアと活用方法についてご紹介します。
業務改善のテーマを決める
業務改善の施策にもさまざまな方法があります。チーム内でアイディアを出し合うにしても、施策の方向性がまったく異なれば対比しようもありません。かといってどちらも実行するにはコストが足りない…といった葛藤に陥りがちです。
そこで、業務改善をするにあたって、まずはテーマを決めていきましょう。
近年の企業でもっとも多いのが『システムの自動化・IT化』です。コスト削減に対するアプローチとしてITというアプローチを明確に決定します。
そうすることで、どのようなツールやサービスを利用するかといったように、業務改善の施策がまとまりやすくなるでしょう。
アンケートを作成する
社内アンケートを実施し、業務改善計画を立てていくという企業は多くあります。その中で、業務改善に成功した企業と失敗した企業では、アンケートのつくりにどのような違いがあったのでしょうか?
それは『きちんと本音を聞きだせるような工夫がされていたか』という点です。アンケートに不満を記入すれば上司からの心証が悪くなるといった先入観を持たせてはいけません。
それを防ぐためにはアンケートの集計方法・匿名性を明確にすることや、設問の中にあからさまな正解を設けない工夫が必要になってきます。
業務改善の具体的な施策を決める
テーマとアンケートによって問題点とアプローチが浮き彫りになったら、具体的な施策を決定していきましょう。
具体例を探すのであれば、厚生労働省が公表した『生産性・収益力向上の取組事例集』を参考にすると良いでしょう。色々な業務改善の事例が記載されています。
厚生労働省ではこのようなガイドラインを公表することがあるので、チェックしてみると良いかもしれません。
成功事例を活用する際の注意点
成功事例を実際に使ってみたとして、それがうまく行かない場合があります。成功事例から学ぶ際の注意点について確認しましょう。
施策だけ真似しても効果は薄い
成功事例を参考にする際には、実行した施策だけ真似しても効果が得られないか、あるいはマイナスになるケースもあります。
形だけ真似をしても、従業員はなぜその施策を行うのかを理解していないケースが多く、実際に成功した企業とは環境や問題点も細かい部分で違います。
成功事例はあくまで方向性の参考に留めておきましょう。現場や担当者と共に問題点を整理したからこそ、取り組むための意識を持つことができます。
目的とゴールを定める必要がある
失敗する企業がやってしまいがちなミスですが、最初にすべきことは成功事例の調査ではありません。現状を把握し、業務改善を行う目的とゴール、そして期間を決めることです。範囲を決めることと言っても良いでしょう。
目的やゴールがあやふやだと、施策の効果も薄くなってしまいがちですし、業務改善に重要なワークフローの作成やフレームワークの活用ができません。
最終的にどんな業務形態にするために改善を行うのかを、まずはきちんと定めておくことが重要です。
まとめ
業務改善を行う際に、他社で実際に成功した事例というのは参考になりますし、取り入れたいという気持ちもあるでしょう。しかしながら、問題点や事業規模が異なる会社の施策をそのまま実行しても、むしろ失敗する確率が高くなってしまいます。
業務改善を行うためには、自社の従業員や問題点としっかりと向き合い、そこから問題点を洗い出していく必要があるのです。成功例のアイディアは参考にはなりますが、最終決定は自社でしっかりと行いましょう。

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