自由な働き方「ABW」とは?ABWのメリット・デメリット

2024/07/09 働き方改革

企業リスク診断

テレワークが一般的になってきたことで、オフィスだけではなく自宅やコワーキングスペースなどで働く選択肢ができました。

さまざまな働き方がある中で、より自由を尊重した「ABW」という働き方もあります。

そこで今回は、ABWについてご紹介します。

ABWとは

ABWとは
ABWとは、業務内容や気分に合わせて、社員が働く場所・時間を選ぶ働き方のこと。Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の略です。従来の「オフィスに出社して、自分の決められた座席で仕事をする」といった働き方とは異なり、個人の裁量に任せた自由度の高いワークスタイルです。

働く場所は自宅だけにとどまらず、カフェやワーキングスペースなどさまざまです。当日の気分や必要な環境に合わせて個人の判断にて働く場所を決めます。

ABWとフリーアドレスの違いとは?

ABWとフリーアドレスの違いとは?
Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の内容を把握した上で「フリーアドレス」とどのように違うの?と疑問に思う方も多いはず。実は、フリーアドレスとABWには、少し違いがあります。

フリーアドレス:オフィス内で自由に席を決められる(オフィス外は含まれない)
ABW:オフィスだけではなく、自宅やコワーキングスペースなど、オフィス外も選択肢に入る

分かりやすく伝えると「フリーアドレスとABWの違いはオフィス内外で働く事の違い」と言えるでしょう。フリーアドレスでは社内の個人席を指定せず、空いている席で業務を行うスタイルですが、ABWはオフィス外も働く環境とみなされているということが挙げられます。

これはABWがフリーアドレスに対してより働く側に配慮されているといっても良いでしょう。従業員によってはアイデアが浮かびやすい環境や集中できる環境が異なり、それぞれが望む環境下で作業ができるなど、従業員側に対してある程度任されているといった点がフリーアドレス制に対して異なる点といえます。

ABWが向いている職種

ABWが向いている職種
自席を使用する頻度が低い職種(外出が多い営業、企画など)がABWが向いている職種といえるでしょう。それとは異なり、総務や事務職などはABWの導入が難しいとも言えます。

営業職は外出が多い中、帰社せずとも次の取引先との中継点で作業するなど移動時間を業務時間に変えることが実現できます。また、総務など企業においてセキュリティをじゅうぶんに検討しなければならない部署においてはABW導入と同時に、より強固なセキュリティ対策の導入が求められるからです。

ABWのメリット

ABWのメリット

フリーアドレス制度より、さらに従業員に選択の余地が与えられるABWですが、導入メリットが多くあります。

モチベーション・生産性の向上

ABWにおいては、従業員に多くを選択させることとなります。これは従業員の行動を尊重するといったことになるので所属する企業への愛着心だけでなく、ワークライフバランスの向上に繋がる事で現状の仕事について満足感を向上する事が可能になります。また、自らが最も生産性が高まる場所で業務を行うことで、今までより生産性が向上する効果も期待が出来ます。

コミュニケーションの活性化

今までの働き方である「決められた自分の座席」で業務を行う時には考えられなかった、ワークスペースや今までとは関わりがなかったスタッフの近くで業務に取り組む事でコミュニケーションの活性化にも期待が出来ます。同じ考え方のスタッフ内では気付くことがなかったような新しい発見が見つかることも。部署間を超えた新しいアイデアが期待できます。

コスト削減につながる

今までは全ての従業員の座席を用意する必要がありましたが、ABWによって全ての従業員の座席を用意する必要がなくなります。当然、オフィスの面積も縮小する事が出来るのでオフィスの維持コストを削減する事が可能となります。また、会議室もWeb会議などによって確保する必要がなくなることから、会議室を少なくすることも検討することができるといえるでしょう。

ABWのデメリット・注意点

ABWのデメリット・注意点

従業員が最も働きやすい環境で業務を行うActivity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)。多くの魅力がある一方で、少なからずデメリットも存在します。

ルールの整備が必要となる

今までは企業に出社する事で、勤怠管理や評価が可能でしたがABWによって出社せずとも業務を行うとなると、実態を把握する事が難しくなるので今までの評価制度などを見直す必要が出てきます。また「従業員が自ら主体性を持って働く」事が根底にあるABWなので、そのような考えを持ち合わせていない従業員の生産性が落ちる可能性もあります。

各従業員の業務が把握しずらいABWでは、今までとは根本的に事なるルール設備が必要となります。

完全なABW導入には時間がかかる?

各従業員が各々の環境で業務を行う場合、注意したいのは今までのチームにおいて行動していた時よりもコミュニケーションが不足するような恐れがあるという点です。上長も一人一人の管理を行う手間も今まで以上に増えるでしょう。そのような背景から、全ての業務日がABWではなくまずは1週間のうち2日、3日をABWを行い残りは出社することでコミュニケーション不足を防止しつつ、生産性の向上を図るといった進め方が無難といえるでしょう。

つまり、完全なABW導入にはそれなりの期間を要する場合があります。

ABWを導入するには

まずは、目的を決める

はじめに、ABWを導入する目的を決めます。何のために導入するのか?を明確にしておきましょう。

企業によって導入目的はさまざま。コミュニケーションの活性化や、業務効率の向上など目的を明確にしておきます。

社内の状況を調査する

座席にいる時間が短い社員や、業務内容から見てオフィス出社したほうが良い社員など座席の使用状況をチェックしましょう。

また、ABWを導入する際に多くの社員がメリットを感じられるよう、オフィスや業務など不満な点や改善点などをヒアリングすることをおすすめします。

実現可能かどうかをチェック

状況を調査したら、ABWの導入が適切かどうかを確認します。目的が実現できるよう、どのくらいの効果が得られるのか確かめるようにしましょう。

ABWに向いたレイアウトを検討する

導入が決定した場合、オフィスのレイアウトの変更も検討します。

個人ブースやカフェスペース、共同のワークスペースなど、業務や気分に合わせて決められるようなレイアウトにすることをおすすめします。

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まとめ

いかがでしたか?近年ますます加速する働き方の多様化ですが、フリーアドレス制よりも更に先進的なABWはまさに働き方の多様化における最先端といえるのではないでしょうか。従業員一人一人の主体性に任せ、企業はその環境を整えることで従業員のモチベーションを上げつつ、生産性も向上させるといった難しい問題を解決する1つのワークスタイルとして注目されているABW。今後の展開に注目です。

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