Windows 10のサポート終了はいつまで?注意すべきポイントとは
2020/02/21 windowsサポートWindows 10は、アップデートやサポートコンセプトがこれまでのWindowsバージョンと全く異なります。
これからは数年ごとに新たな製品版を購入し続けるのではなく、Windows 10がそのまま進化していくという形に変わりました。
この記事では、具体的にWindows 10のアップデート・サポート方針はどのように変化したのか、またサポートのタイミングや注意点についても詳しくご説明していきます。
【結論】Windows 10のサポート期間はバージョンによって違う
Windows 10は「進化するOS」であり、「Windows最後のバージョン」といわれています。これはつまり、Windows 10そのもののサポートが終了することはないことを意味します。
Windows 10では、年2回の機能更新アップデート(Feature Update)が行われます。この大型アップデートにより、Windows 10の機能が大幅に追加・改善されていきます。
そのため、アップデートをし続けていけば、Windows 10のサポートが終了することは実質、なくなるのです。このサポートコンセプトを、Microsoftは「Windows as a Service」(以下WaaS)と呼んでいます。
従来のWindowsとの違い
これまでのWindowsシリーズでは、数年ごとに後継バージョンが提供されてきました。ここで問題になるのが、リリースから5年でメインストリームのサポートが終了となってしまう点です。
Windows XPは人気があったため延長サポートが行われていましたが、最終的には終了しています。このように、従来のWindowsは必ずサポートが終了するOSだったのです。
しかし、Windows10ではこうした懸念が払拭(ふっしょく)されます。数年ごとにリリースされてきた製品版のWindowsはなくなり、Windows 10そのものがバージョンアップしていく仕組みになりました。つまり、Windows10が搭載されたパソコンを購入すれば、基本的には永続的なサポートが受けられるということです。
Windows 10ではOSを製品ではなく、「WaaS」というひとつのサービスとして捉えています。従来型では3~5年ごとにOSそのものをアップデートして、製品として販売してきました。
しかし、Windows 10では年約2回の機能更新アップデートを「提供」していく形式に変わったのです。
従来型とは違い、WaaSというサポートコンセプトにより、Windowsの導入コストが下がり運用管理コストも下げられるというメリットが生まれたと考えられます。
初期リリースのWindows 10はすでにサポートが終了
Windows 10は「最後のWindows」です。そのため、基本的には新たなシリーズを購入する手間や出費はなくなりました。
しかし、2015年7月29日にリリースされた初期のWindows 10=開発コード「Threshold1」(バージョン番号1507)は、リリースから18カ月後の2017年3月26日にサポートが終了しています。
そのため、現在このバージョンについては品質更新プログラム=Quality Updateの提供は行われる予定がありません。これは、Windows 10自体にもサポート期限は存在しており、それはバージョンごとに区別されるということです。サポートを受け続けるためには、最新のバージョンを使い続ける必要があります。
種類ごとのアップデート内容の違い
先述の通り、Windows 10は従来型とアップデートタイミングが違います。年単位での製品開発・発表という形ではなく、月単位でアップデートを行う形になりました。また、注目したい点として、Windows 10のサポートサイクルはエディション(種類)により大きく違いがあります。
基本となるサイクルは18カ月で、Feature Update(新機能追加)やQuality Update(品質向上)、Security Update(セキュリティ関連)が含まれています。初期バージョンのWindows 10もその期間終了後(18カ月後)にサポートが終了しました。
企業向けのEnterpriseエディションと教育機関向けのEducationエディションはそれぞれ延長サポートサイクルがあります。18カ月に加えてさらに6カ月のQuality UpdateとSecurity Updateが受けられます。
POSやATMなどといった機器に搭載されているWindows 10エディションの場合は5年のメインストリームサポートサイクルです。追加で5年の延長ができるため、最長で10年間は同じバージョンのWindows 10を利用できます。ただし、こちらのエディションではFeature Updateはありません。QualityおよびSecurityのみが適用されます。
Windows 10アップデートの方法と期限
Windows 10のアップデート方法についてもご説明していきます。
まず、Windows10のコンセプトであるWaaSは、ユーザー側が特別に意識しなくても自動的にOSがアップデートされる仕組みです。以前のように数年ごとに製品版を購入して新しいOSにしなければならない、といった手間はありません。ただし、アップデート内容はエディションによりいくつかのブランチ(種類)があります。
Windows 10のHomeエディションでは、「半期チャネル(ターゲット指定・対象)」という形をとります。このエディションの場合は設定上、自動更新がオフになることがありません。つまり、自動的に年2回のアップデートが行われて常に最新の状態を保つことができます。これは良い点でもありますが、不具合などでパッチがあたるまで一時的に動作が不安定になる可能性もはらんでいるともいえます。
企業向け・教育機関向けのエディションでは、「半期チャネル」が適用されています。半期チャネル(対象)からおよそ4カ月の猶予を持ってアップデートが行われる仕組みです。企業などの場合、アップデート後にOSの不具合などがあると業務に大きな影響が出てしまいます。そこで猶予を持たせ、最新版の検証や安定性が確認された時点でアップデートを行うことで、安全性を担保しているわけです。4カ月たつと自動的にアップデートされるので担当者は覚えておいたほうが良いでしょう。ちなみに、ターゲット指定・対象と同様に自動更新状態にすることも可能です。
また、一般的ではありませんがPOSやATMに搭載されるWindows 10については、「長期サービスチャネル」が適用されます。こちらは先述の通り、Feature UpdateはなくQualityおよびSecurity Updateのみで、更新についてもHomeエディションや企業・教育機関向けのエディションとは異なる形式をとります。
機器の寿命によるサポート終了
Windows 10は最後のWindowsであることは先述の通りです。しかし、サポートを受け続けるためにはハード側が適用範囲内であることが必要になります。
具体的にはBIOSやマザーボードはWindows 10に対応している最新のファームウエアに書き換えられていなくてはいけません。また、各種デバイスも最新の更新プログラムをインストールしておくことが必須となります。
例えば、Intelの古い世代のAtomプロセッサ搭載PCで大型アップデートが適用されないといった事例があります。Intel側がドライバーの提供を打ち切ったことがその理由です。
Windows 10は基本的に将来的に継続するサポートを約束しています。しかしこの事例からもわかるように、機器の寿命などの理由から継続的なサポートが困難になるケースもあります。サポートを受け続けるためには、機器やデバイスについても対応し続けることが必要です。
まとめ
Windows 10のサポートコンセプトであるWaaSは、これまでと比べて非常に画期的なものです。
導入コストの削減はもちろん、製品版を購入して入れ替えたり新しいOSに慣れたりといった手間も省けます。しかし一方で、サポートポリシーが複雑化している点や、機器の寿命による、強制的なサポートの打ち切りといった側面があることも知っておきましょう。

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