テレワークの通信費は会社側が負担?気になるテレワークの費用について
2020/09/23 テレワーク働き方改革や感染病拡大予防のために、テレワークを導入している企業も増えてきているのではないでしょうか。特に在宅勤務を選択されている方が多いと思いますが、通信費や光熱費などがこれまでよりも発生し、負担に思う方が多いかもしれません。
そこで今回は、テレワークの費用についてご紹介します。これから、導入を検討している企業の方も何に費用がかかるのか、参考にしてください。
テレワークについておさらい
テレワークとは、働き方の1つです。所定のオフィスではなく、離れた場所で働くことを意味します。テレワークには主に3つの種類があります。
在宅勤務
在宅勤務とは、自宅で業務を行うことです。
最近、新型コロナウイルスの感染拡大防止の対策として「在宅勤務」という言葉をよく耳にするようになりました。感染病拡大防止だけではなく、離職率の低下や働き方改革として、在宅勤務を取り入れている企業が増えてきています。
サテライトオフィス勤務
勤務先のオフィス以外のオフィススペースや遠隔勤務用施設で働く方法です。
モバイルワーク
モバイルワークは、移動中や顧客先、カフェなどで働く方法です。さまざまな場所で仕事ができるので、外出の多い営業の方は効率よく作業することができます。
最近では、新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークの中でも「在宅勤務」に目が向けられています。
テレワークにかかる経費とは
テレワークは社員の交通費が削減したり、オフィスを縮小したりすると、家賃や光熱費の削減につながるメリットがあります。ただし、このメリットは長期間、テレワークを利用して感じられる部分ともいえるでしょう。
というのも、テレワークの導入にはさまざまな経費がかかるからです。では、テレワークには、どのような経費がかかるのでしょうか。まずは、テレワークにかかる費用について、テレワークを導入している企業の対応と併せてご紹介します。
1.パソコンなどの情報通信機器
テレワークを行う上で必要となるのが「パソコン」です。パソコン端末がないとほとんどの業務がこなせないのではないでしょうか。テレワークの場合、オフィスとは離れた場所で働くため、デスクトップパソコンではなく持ち運びができるノートパソコンの用意が必要です。
オフィスでデスクトップを利用している場合は、テレワーク用のノートパソコンを用意しなければなりません。他にも社用携帯として、スマートフォンの準備が必要な場合もあります。
情報通信機器は基本的に会社負担であることが多い
すでにテレワークを導入している企業では、情報通信機器は会社側から貸し出していることが多いそうです。社員の私物のパソコンを利用する手もありますが、セキュリティ面に不安があるため、セキュリティ対策を行う必要があります。
2.通信回線費用
情報通信機器の他に必要となるのが、通信回線です。通信回線は、プライベートでも利用することが多く、業務でどのくらい使用したのか判断することが難しい費用です。
通信回線費用への対応は企業によって異なることが多い
通信回線費用については企業によって対応はさまざま。通信費を全額負担している企業や、一定額を支給している企業などもいらっしゃいます。通信回線費用については、全額社員の自腹というケースもあり、対応は企業によって異なることがほとんどです。
また、自宅にネット回線がないという社員の方もいるでしょう。この場合、モバイルルーターを貸し出して対応している企業がほとんどです。
3.水道・電気代などの光熱費
在宅勤務の場合、オフィス出社していたときよりも、家にいる時間が増えます。そのため、光熱費が今までよりもかかってしまいます。
社員によっては、負担に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
在宅勤務手当で対応している企業が多い
通信回線同様に、光熱費もプライベートとの線引きが難しい費用です。企業によっては、手当を支給するなどして対応している企業もあります。
4.ビジネスチャットや勤怠管理などのシステム・ツール
テレワーク導入に伴い、さまざまなシステムやツールも必要です。
システムやツールを導入する場合は、利用料金が発生します。ビジネスチャットやWeb会議ツールなど無料で利用できるツールもありますが、セキュリティ面を見ると有料版を使った方が比較的安全な場合もあります。
業務で利用しているシステムのため会社負担であることが多い
システムやツールの利用料金については、業務で利用するために導入するため、会社側が負担することが一般的です。
5.業務で利用する備品
業務でファイルやノートを使用する場合もあるでしょう。他にも、郵便やメール便を利用するケースもあるかもしれません。業務内容によっては、テレワークであっても、切手や封筒などの準備が必要です。
備品は会社負担であることが多い
業務で利用するファイルやノートなどの備品については、会社側で用意するのが一般的です。業務で書類などの郵送を行う場合は、切手やメール便などの備品も事前に渡しておくことをおすすめします。社員が備品にかかった料金を立て替える場合もあるかもしれませんので、精算方法を決めておくと良いでしょう。
6.テレワークのための環境構築
在宅勤務を行う上で、働きやすいように環境構築される方もいらっしゃいます。デスクやイスについても、仕事以外で使用することが想定されるため、経費としては曖昧な部分があります。
業務に必要なものだけ負担するケースが多い
デスクやイスのように仕事以外で使用することが想定されるものは、社員負担であることがほとんどです。
ただし、Web会議に必要なヘッドホンやイヤホン、カメラなどは、業務に必要なものです。このようなアイテムについては、業務に必要な経費として会社側が負担していることがほとんどです。
7.カフェなどの場所代
モバイルワークをする場合は、カフェやコワーキングスペース等を利用することがあります。その場合、利用料がかかります。
場所代は全額負担または一部負担するケースが多い
多くの企業では、カフェなどの場所代も全額負担または一部を負担するケースがほとんどです。
テレワークにかかる費用は会社負担?
まだテレワークを導入していない場合、テレワークにかかる費用は全て負担しなければいけないのか?気になる担当者さまも多いかもしれません。
ここでは、労基法規を確認しながら、費用についての取り決めをご紹介します。
テレワークにおける労基法規を確認しよう
テレワークであっても、労基法規が適用されています。まずは、会社が対応すべきことについて紹介します。
1.労働条件の明示
労働基準法施行規則5条2項には、企業は労働契約締結に際し、就業の場所を明示しなければならないことが定められています。在宅勤務であれば、自宅で勤務することを社員に明示する必要があります。
2.労働時間の把握
テレワークであっても、労働者の労働時間を適切に管理するため、社員の労働日ごとの始業・終業時刻を確認して、記録する必要があります。
この規定は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に定められています。
3.業務評価・人事評価の取り扱い
社内に、オフィスで勤務している方とテレワークで勤務している方で分かられている場合、業務評価・人事評価は公平でなければなりません。もし、業務評価・人事評価の制度が異なる場合は、社員に説明する必要があります。また、就業規則の変更も行われなければなりません。この規定は、労働基準法89条2号に定められています。
4.通信費・情報通信機器の費用負担
費用については、社員が負担しなければならいこともあるので、あらかじめルールを決めておきましょう。テレワークを行う社員に、通信費・情報通信機器の費用を負担させる場合は、就業規則に規定しなければなりません。
5.社内教育の取り扱い
テレワークを行う社員に対して、社内教育や研修制度に関する定めを行う場合も就業規則に規定する必要があります。
企業側が負担すべきものとは
テレワークにおける労基法規を確認すると、費用については負担すべきということはなく、罰則されることもありません。社員が負担する場合は、就業規則への規定と、社員へ説明をして理解を得ることが必要だといえます。
ただし、業務で利用するものは、負担するのが一般的でしょう。情報通信機器や業務で利用する備品、ビジネスチャットなどのツースやシステムは、企業側が負担するのが好ましいといえます。
テレワーク導入の際は、ツール選びが重要!
テレワークの環境を整えるにはツールが必要
テレワーク環境の準備は、端末の用意だけではありません。テレワーク(特に在宅勤務)は、オフィスでの働き方とは異なるため、離れた場所でも適応できるテレワーク向けのツールが必要です。
例えば、オフィスでは簡単にできていたコミュニケーションも、テレワークでは難しくなります。そのため、テレワークには、ビジネスチャットやWEB会議ツールなどのコミュニケーションツールが必要になるのです。
コミュニケーションツールの他にも、ファイル共有サービスや勤怠管理ツールなどもテレワークを導入する上で必要です。
テレワークには自社にあったツールを選ぼう
テレワーク向けのツールには、さまざまな商品がリリースされています。
テレワークでよく利用されているWeb会議ツールにも、TeamsやZoomなど、たくさんの種類がある状況です。
そのため、どれをどのように選べば良いのか?迷うことでしょう。
すでにビジネスチャットを利用していても、有料版への移行や別のサービスの方が適している場合もあるかもしれません。
テレワークを導入する際は、テレワーク導入の目的を定めたり業務を見直したりして自社の労務環境にあったツールを選びましょう。
テレワーク導入チェックリスト」で自社に必要なツールをチェック
働き方改革や、感染病拡大予防のためにテレワークが導入され始めています。最近では、各企業に対して、社員の在宅勤務を70%になるように要請されています。原則テレワークでの働き方を導入する企業も増えてきている状況です。今後も、テレワークでの働き方が普及していくでしょう。
このテレワーク普及の影響もあり、テレワーク導入を考えている担当者さまも多くいるはずです。特に、新型コロナウイルスの影響が大きく、事業継続を守るにはできる限りでテレワーク導入を検討した方が良い状況であるといえます。
しかし、中にはテレワークの導入に不安を抱いている担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。テレワークの導入を難しく感じている、テレワークでの働き方にメリットはあるのかなど、疑問に思うことが多いかもしれません。
そこで、テレワーク導入チェックリストをご用意いたしました。テレワーク導入に向けて、どんなツールを導入すべきなのか?何が必要なのか?自社にあったツールや重要なポイントをセルフチェックすることが可能です。ぜひ、テレワーク導入チェックリストをご活用ください。
テレワークを導入する際の注意点
経費についてはルールを決めておく
どこまでを経費として認めるか、ルールを決めておくことが大切です。オフィスに出社していている場合、業務に必要な経費だったかどうか判断しやすいでしょう。しかし、テレワークのように離れた場所で勤務するとなると、本当に業務に必要な経費なのか、判断しにくくなってしまいます。
どこまで負担するのか、在宅勤務手当が支給されるのかなどを明確にしておくと、トラブル防止につながります。
ルールを決めたら必ず就業規則に記載する
労働基準法 第89条には、「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない」と定められています。
経費の負担範囲や従業員に負担してもらう場合など、費用についてルール定めるときは従業員に説明する必要があります。
労働基準法では、従業員に食費やその他作業用品をさせる定めする場合は、これに関する事項を就業規則に明記するよう規定されています。そのため、必要に応じては、就業規則を変更し、社員に周知させる必要があります。
まとめ
今回は、テレワークでかかる費用はどこまで会社が負担すべきなのか?についてご紹介しました。
情報通信機器や通信回線だけではなく、水道代や電気代などの光熱費もかかります。企業側は、負担することが強制ではありませんが、手当や一部負担など取り決めされていると社員は安心できるでしょう。費用について負担や手当などを決めた場合は就業規則の変更を忘れないように注意してください。
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