SaaS・PaaS・IaaSの違いは?具体例を用い理解を深めよう
2024/11/13 クラウドSaaS・PaaS・IaaSはクラウドサービスを利用する上では押さえておきたい用語です。
その明確な違いについて理解を得ることで、クラウドへの理解を深め、クラウドサービスを今後さらに有効的に活用していきましょう。
クラウドの理解が難しい理由
クラウドサービスの利用率は年々上昇傾向にあり、日本だけではなく世界中の企業でシステム運営やWebサービスに利用されています。
一方で、クラウドサービスの自社導入を考える場合、なかなか理解が得にくいという側面があるのは事実です。その理由はどこにあるのかをまずは検証していきましょう。
具体的にイメージしにくい
クラウドが企業に提供するシステムのオートメイション化やマーケティング施策、会員管理はクラウドサービスと呼ばれるものです。
一方、オンラインストレージやメールサービス、そしてクラウドファンディングなどもクラウドのカテゴリーに属します。クラウドという言葉の定義がかなり広義的なことがイメージしにくい要因の1つです。
また、クラウドは事業取引などとは違い、制作者が直接顔を合わせないことも多く、サービス元について詳細がわかりにくいといったことも挙げられます。
インターネットに詳しくない人がクラウドの概念を理解するのが難しいのは、これらの要因に拠るところが大きいと言えるでしょう。
専門用語が多く、似ている
クラウドの意味を深く知ろうとすると、クラウドに関連した専門用語についても理解を迫られます。
SaaS・PaaS・IaaSもそうですし、ホームページを作るならHTMLやCSSに対する理解も一定以上必要になってくるでしょう。サーバーとクライアントの関係など、インターネットの仕組みについても理解が必要になります。
また、SaaSやASPのように意味が似ているもので、さらに技術者によって解釈が異なる用語も多くあり、クラウドを理解から遠ざける一因にもなっているのです。
実際、クラウドの導入自体は初心者でも利用できるほどシンプルなものが多いのですが、仕組み自体を理解することは困難と言えるでしょう。
SaaSとは
SaaSはクラウドサービスでよく提供されている分類の1つです。
他にもPaaS・IaaSがありますが、SaaSは特にメジャーなサービス形態と言えます。まずはこのSaaSがどいうものかを見ていきましょう。
読み方と正式名称
SaaSは(Software as a Service)を略したもので、『サース』と読むのが一般的です。日本語に訳すと『サービスとしてのソフトウェア』となります。
具体的にどういうものかは、次で詳しく解説していきましょう。
クラウドサービスの分類の1つ
クラウドサービスと言えばこのSaaSを指して使われることが多いですが、SaaSはあくまでクラウドサービスの中の1つに過ぎません。
SaaSの市場規模は現在も膨らみ続け、2020年にはおよそ4000億円になるとまで言われています。近年では人工知能の発達に伴い、SaaSの性能の向上にも期待が持たれているのが現状です。
また、ASPという言葉もありますが、こちらはSaaSの前身です。1980年頃に登場したASP( Application Service Provider)が抱えていた欠点を修正したものがSaaSであると言われています。
ウェブ上で使うアプリを指す
SaaSの果たす機能とは、メールサービスやブログサービスなど、インターネットブラウザを通じて操作するものを指します。
代表的なものがSalesforseです。Salesforseは、顧客管理をブラウザ上から行うもので、同系統のソフトとしては世界最大のシェアを誇っています。
日本ではDMMなどをはじめとしたWebサービスやオンラインショップもSaaSに分類され、スマートフォンやタブレットの普及に準ずる形で利用者の数が増加しています。
その他のクラウドサービス分類
代表的なものとしてSaaSを紹介しましたが、他にもPaaSやIaaSなど、クラウドサービスには多くの利用形態があります。
クラウドサービスへの理解を深めるために、これらがどういったものか続けて見ていきましょう。
PaaS
PaaSは(Platform as a Service)を略したもので『パース』と読みます。サーバーやストレージなどのプラットフォームを、インターネットを仲介して利用できるようにしたものです。
具体的なサービスとしては『GOOGLE APP ENGINE』や『Microsoft Azure』があります。プログラムの土台はすでに用意されていて、後はどのような機能が欲しいかをくみ上げていくのがPaaSの特徴です。
SaaSは最初から完成されたソフトウェアをサービスとして提供していますが、PaaSの場合はカスタマイズが可能で、それも専門的な知識なく行えるのがメリットと言えるでしょう。
IaaS
IaaSは(Infrastructure as a Service)を略したもので、『イァース』と読みます。
IaaSは、プラットフォームを作る前のさらに基礎的なもので、クラウドサービスの中でももっとも自由度の高いデザインやソフトウェアの制作が可能です。
『Google Compute Engine』などのサービスがその代表例と言ってもいいでしょう。ただし、自由度が広い代わりにエンジニアに要求される専門性も高く、開発に当たり高度なプログラミング知識が要求されます。
DaaSとBaaS
DaaSは、デスクトップの仮想化を提供するクラウドサービスです。デスクトップの機能をインターネット上に呼び出して利用できるようになります。
データ管理をベンダー側のサーバーで行うため、セキュリティを従来のデスクトップより大幅に向上させ、ハードウェアの管理が簡素化できるのがメリットです。
BaaSはクラウドサービスのうちでバックエンド機能を提供するものです。バックエンドとは、フロントエンドと対になる言葉で、ユーザーがデータの入力や指示を行うのがフロントエンド、それを裏で処理したり記録したりするのがバックエンドです。
どちらもそれほど多く使われる言葉ではありませんが、提供しているサービスはあるので覚えておくようにしましょう。
クラウド理解の方法と用語の覚え方
クラウドを理解するためには用語を覚え、実際のサービスの利用方法を知る必要があります。どのように理解を深めていけば良いか、その方法について見ていきましょう。
各用語の概念を理解する
これまで説明した用語は、クラウドサービスを紹介しているサイトや利用方法のガイドライン等でよく見かける言葉です。特にSaaS・PaaS・IaaSなため覚えておいた方が良いでしょう。
これらの用語には具体的な定義はないため、どこかの出典先の文章を一字一句覚えるより、どういったものか概念を理解することが重要です。
具体例を知る
具体的なクラウドサービスの例を知り、そのサービスの機能を知った方が、各用語を覚えやすく、また差別化もしやすいでしょう。
SaaSで言えば『Gmail』『G Suite』、PaaSなら『GOOGLE APP ENGINE』、IaaSなら『Google Compute Engine』の具体的な機能をそれぞれ知れば理解に近づけるはずです。
身の回りのサービスで考える
身の回りで利用されているクラウドサービスを知れば親近感も湧いて理解も深まるでしょう。
例えばSNSと呼ばれているサービスはすべてクラウドサービスです。ブラウザ上で使えるメールフォーム、会員登録サイト、旅行検索サイトやオンラインショップもすべてクラウドサービスになります。
OnedriveやDropBoxといったストレージもクラウドです。PCにインストールする必要はなく、すべてオンラインでデータ管理などを賄えるサービスを見つけ出し、仕組みを考えてみてください。
まとめ
SaaS・PaaS・IaaSはすべてクラウドサービスですが、利用体系によって差別化されています。日常生活や業務においても普及している言葉ですので、覚えておくと良いでしょう。
今後もクラウドサービスはより社会に浸透していくことが考えられます。適切なサービスを効率的に利用することで、利益に大きな貢献をもたらすことは疑いようがありません。
関連記事
http://cloud-info-box.com/saas/the-difference-between-saas-and-iaas
「クラウドインフォボックス」では、働き方改革や経営に役立つクラウドサービスの情報を掲載しています。
姉妹サイトである「HYPERVOICE(ハイパーボイス)」では、企業様の情報システム代行サービス「Business Core NEXT(ビジネスコアネクスト)」を運営しております。