働き方改革は中小企業でも対応必須。対策ポイントや課題のまとめ
2020/03/16 働き方改革働き方改革は大企業だけでなく、中小企業も対応する必要があります。
働き方改革に対応するためにどんなことをすべきか、施策や方向性を検討していきましょう。今回は、実施ための課題やポイントの見つけ方についてご紹介します。
中小企業と働き方改革
働き方改革は、日本にある全ての企業を対象としています。大手企業だけではなく、中小企業も改革実現に向けて取り組んでいかなければなりません。
中小企業も対応が必要
働き方改革は正式名称を『働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律』と言います。その具体的な内容をいくつか下記で紹介しましょう。
- 残業時間の罰則つき上限規制
- 有給休暇取得の義務化
- 割増賃金の中小企業猶予措置廃止
他にもありますが、これらには実施期間が定められており、その期間は大企業と中小企業で明確に区分されています。
つまり、中小企業であっても適法の対象であるため、対応しなければならないのです。
中小企業の定義
働き方改革では、中小企業の定義について具体的に記載されています。
A 資本金額または出資金の総額 | B 労働者数 | |
小売業 | 5000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
それ以外 | 3億円以下 | 300人以下 |
それぞれの業種によって条件は異なりますが、この「A 資本金額または出資金の総額」もしくは「B 労働者数」のいずれかを満たしていることが、中小企業の条件です。
残業規制と有給取得促進
働き方改革でも特に影響が大きいのは「残業規制」と「有休取得促進」です。内容をさらに詳しくご紹介します。
まず残業規制についてですが、月に45時間、年360時間となります。また、臨時的な特別事情の場合は複数月の平均で1カ月あたり80時間以内です。これを超えると、罰則が科せられる可能性があります。
また、有休取得を5日間取ることが義務化されます。こちらについても、違反した場合は罰則が科せられる可能性があり、注意が必要です。
急務な項目以外に対応が必要な内容は
5日間の有休取得の義務化は2019年4月から、全企業で実施されます。残業期間の上限については、中小企業は2020年4月からの実施です。
当月から急に切り替えることは困難だと予想されるため、前もって準備をしておく必要があるでしょう。
また、フレックス制の拡充や待遇に関する説明の強化といった細かな項目もありますので、チェックしておくことをおすすめします。
働き方改革は中小企業ほど課題が多い
働き方改革は、大企業よりも中小企業の方が、課題やタスクが多いと言われています。その理由とポイントについて見ていきましょう。
大企業と比べ立場が弱い
大企業から発注を受けて、下請けという形で仕事をしている中小企業も多くあります。
働き方改革によって、制作期間がこれまでより伸びたり、費用が高くなってしまったりすることで、取引を打ち切られてしまうのでは…という不安が、中小企業にはあるのです。
あるいは、同じ期間で商品を作るために、大企業が下請けの一部を他の会社に回すということも考えられます。中小企業にとっては死活問題になってしまうため、現状の生産率をキープするために、課題がハードになってしまうのです。
労働時間をコントロールしにくい
取引の主な決定権は、大企業側にあることは否めません。中小企業の都合で納期を延ばすということがなかなか難しい面があります。
また、従業員数が少ない規模の企業でも、人員の調整が難しいため労働時間をコントロールしにくいという状況があり、これにどう対応していくかも難しい課題と言えるでしょう。
中小企業こそ働き方改革が不可欠
中小企業はここまで記載したような難しい課題に直面していますが、それは同時に、現状の労働環境における問題点の多さを表しています。
中小企業は働き方改革において、何が必要なのかを検証していきましょう。
生産性向上の必要
労働時間を総合的に減らさなければならないからこそ、作業密度を濃厚にする必要があります。そのためにも生産性の向上について模索しましょう。
ITツールの導入によりルーチンワークを自動化したり、フレームワークを使い作業の可視化を行うなど、現状で無駄な作業の洗い出しや、自動化できるかを試案する必要があります。
職場作りが人材確保に繋がる
働きやすい環境を整え、従業員全体のスキルレベルが向上すれば、結果として生産性の向上につながることが期待できるでしょう。
そのために必要なのは、従業員の離職率を減らすための快適な環境作りです。働き方改革への取り組みは職場環境を良くし、長期的に見れば社員のモチベーションの上昇や人材確保につながり、生産性が向上します。
まとめ
働き方改革は中小企業にも適用されます。さまざまな項目には実施期間が設けられているため、それまでに準備をしなければなりません。
大企業と比べて課題が多くある中小企業ですが、生産性の向上や良好な職場環境作りのきっかけにもなるでしょう。ITツールなどを導入して作業を自動化することで、生産性と効率の両面で向上することに期待が持てます。
良好な職場が作れれば従業員の離職率も下がり、社内のスキルレベルが向上するでしょう。結果として、旧体制よりも状況が良くなります。そのためにも働き方改革に積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか?
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