テレワーク導入で起こる問題点とは?解決方法や運用ルールについて
2020/10/14 テレワーク会社から離れた場所で働くことをテレワークといいます。コワーキングスペースで働くことはもちろん、在宅での勤務することもテレワークに含まれます。
テレワーク導入はメリットも多くありますが、いくつか問題点があることも。ここでは、テレワーク導入により起こりやすい問題点や解決方法などをご紹介します。
テレワークでの働き方に注目が集まっている
テレワークは、オフィスではない離れた場所で働くため、働き方を多様化できるとして注目されています。
介護や育児により、出社することが難しい方でもテレワークであれば両立ができることでしょう。また、働き方改革の一環としてテレワークが導入されています。
そして最も注目を浴びることとなったのが、新型コロナウイルスの感染拡大です。現在の日本では、感染が収まりつつありますが、感染拡大を防止案として在宅での勤務が有効といわれています。日本だけではなく、多くの国で、テレワークでの働き方が推奨されることとなったのです。
また、テレワークでの働き方は感染拡大を防止につながるだけではなく、台風や地震などの災害が起こった際にリスクを分散させることが可能です。非常事態でも事業継続性を持てるとして、テレワーク(在宅勤務)での働き方が大きく注目されています。
テレワーク導入には、いろいろなメリットもありますが、問題点もあります。次で、テレワークの問題点をご紹介します。
テレワークで起こりやすい問題点について
テレワークの導入によりどのような問題点が起こりやすいのでしょうか。
【問題点1】セキュリティ面にリスクがある
テレワークを導入する場合、業務用のノートパソコンを社外に持ち出すことになります。
そのため、端末の紛失や盗難の可能性があり、そこから情報漏えいにつながってしまう恐れがあります。
また、社外で仕事をすることになるため、インターネットを接続することによる情報漏えいのリスクも高まる可能性があるでしょう。セキュリティ面については、テレワークで最も不安な部分であり、問題点として挙げられることが多くなっています。
【問題点2】環境作りが難しい
在宅勤務を選択する場合、自宅にインターネット回線や、プライベートと仕事を区別できる環境が必要です。家族がいる場合は、理解を得ることも大切になるでしょう。
特に、インターネット回線の用意は必須です。しかし、スマートフォンの普及もあり、家にインターネット回線を用意しているという方は少ないという問題があります。
環境作りが難しくテレワークの利用をためらう従業員もいることでしょう。
【問題点3】仕事の評価がしにくい
テレワークは、離れた場所で仕事をします。従業員の姿が見えないので、どのように評価すべきなのか迷うという方が多いのではないでしょうか。
テレワークで働く方は、成果でしか評価判断ができません。もともと成果制度を利用している場合は問題ありませんが、オフィス出社している方もいる場合は、公平に評価できないなどの問題に発展することも。従業員側もきちんと評価されているのか、不安に思うことでしょう。
【問題点4】勤怠管理がしにくい
テレワークを導入すると出社することがなくなるため、タイムカードを押すことはできません。従業員の姿が見えないこともあり、正しい始業時間や終業時間、残業時間を把握にしにくいという問題があります。
【問題点5】コミュニケーション不足に陥りやすい
オフィスで仕事をする場合と比較すると、社員同士でのやり取りが減ってしまいます。相談ごとを後回しにしてしまったり、共有が遅れてしまったりすることもあるかもしれません。その影響から組織力やチーム力の低下につながってしまうことも。
また、オフィス出社の社員がいる場合は、テレワークで働いている方が孤立を感じてしまうこともあるでしょう。
【問題点6】仕事とプライベートの区別がつきにくくなる
従業員の悩みとして、仕事とプライベートの区別がつかないことがよく挙げられます。
特に在宅勤務の場合、家で仕事をすることになるのでより区別がつきにくくなってしまいます。
その影響から、サービス残業や深夜残業をしてしまう社員も出てきてしまうことも。勤怠管理も難しくなるため、長時間労働になりやすいのも、テレワークの問題点です。
逆に、区別がつきにくいことで、サボってしまったり仕事に集中できなかったりする社員もいるでしょう。
【問題点7】テレワークできる業務がない
テレワークは多くのメリットがあるため、導入している企業も多いことでしょう。
しかし、テレワークは、パソコンやスマートフォンなどIT端末で可能な業務しかできない部分があります。そのため、テレワークができる業務がないと思っている方もいるでしょう。
テレワークで起こる問題の解決方法は?
テレワークの導入で起こる問題点は、解決できないわけではありません。解決方法があるため、問題点を十分にカバーでき、導入が可能です。
ここでは、テレワークで起こる問題の解決方法をご紹介します。
【解決方法1】セキュリティ対策をしっかりと行う
セキュリティ対策の1つとして、VPNの活用が挙げられます。VPNを利用することで、インターネットを通じて起こる情報改ざんや盗み見を防ぐことが可能です。端末には、ウイルス対策用のソフトウエアも導入しておきましょう。
セキュリティについては従業員にも研修(カフェなど公共の場での仕事は控える、画面の盗み見などに気をつけるなど)を行うなどして、情報を共有しておくことをおすすめします。
また、PCやタブレットなどを一括で管理できるモバイルデバイス管理ツールの導入も検討すると良いでしょう。モバイルデバイス管理ツールは、利用制限を付けることができたり、紛失した場合は管理ページからリセットしたりすることが可能です。
【解決方法2】環境の用意
環境についての問題は、機器などの貸し出しを行い会社側でカバーできる部分はカバーすることをおすすめします。
インターネット回線は、モバイルルーターの貸し出しを行いましょう。モバイルルーターは、安定した通信ができる、セキュリティ対策が備わったものを選ぶ必要があります。
また、パソコンの貸し出しも必要です。十分なスペックで、ビデオ会議ができるようにカメラ付きであると良いでしょう。
テレワーク導入の際は、ツール選びが重要!
テレワークの環境を整えるにはツールが必要
テレワーク環境の準備は、端末の用意だけではありません。テレワーク(特に在宅勤務)は、オフィスでの働き方とは異なるため、離れた場所でも適応できるテレワーク向けのツールが必要です。
例えば、オフィスでは簡単にできていたコミュニケーションも、テレワークでは難しくなります。そのため、テレワークには、ビジネスチャットやWEB会議ツールなどのコミュニケーションツールが必要になるのです。
コミュニケーションツールの他にも、ファイル共有サービスや勤怠管理ツールなどもテレワークを導入する上で必要です。
テレワークには自社にあったツールを選ぼう
テレワーク向けのツールには、さまざまな商品がリリースされています。
テレワークでよく利用されているWeb会議ツールにも、TeamsやZoomなど、たくさんの種類がある状況です。
そのため、どれをどのように選べば良いのか?迷うことでしょう。
すでにビジネスチャットを利用していても、有料版への移行や別のサービスの方が適している場合もあるかもしれません。
テレワークを導入する際は、テレワーク導入の目的を定めたり業務を見直したりして自社の労務環境にあったツールを選びましょう。
テレワーク導入チェックリスト」で自社に必要なツールをチェック
働き方改革や、感染病拡大予防のためにテレワークが導入され始めています。最近では、各企業に対して、社員の在宅勤務を70%になるように要請されています。原則テレワークでの働き方を導入する企業も増えてきている状況です。今後も、テレワークでの働き方が普及していくでしょう。
このテレワーク普及の影響もあり、テレワーク導入を考えている担当者さまも多くいるはずです。特に、新型コロナウイルスの影響が大きく、事業継続を守るにはできる限りでテレワーク導入を検討した方が良い状況であるといえます。
しかし、中にはテレワークの導入に不安を抱いている担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。テレワークの導入を難しく感じている、テレワークでの働き方にメリットはあるのかなど、疑問に思うことが多いかもしれません。
そこで、テレワーク導入チェックリストをご用意いたしました。テレワーク導入に向けて、どんなツールを導入すべきなのか?何が必要なのか?自社にあったツールや重要なポイントをセルフチェックすることが可能です。ぜひ、テレワーク導入チェックリストをご活用ください。
【解決方法3】勤怠管理やコミュニケーションはツールを活用する
勤怠管理やコミュニケーションについての問題点は、ツールを活用することをおすすめします。打刻ができる勤怠管理システムや、ビジネスチャットを利用することで解決が可能です。
ビジネスチャットは、ビデオ通話もできるので、ミーティングを行うこともできます。始業開始や就業時に、チャットまたはビデオ通話を利用して報告するのもおすすめです。
テレワーク導入には、こうしたコミュニケーションツールの活用が必須といえます。
【解決方法4】ルールを決める
オフィス出社とは違った環境になるので、改めてルール作りが必要です。ルールは、評価制度や勤怠管理、業務報告などを決めると良いでしょう。
【解決方法5】仕事内容を見直す
テレワークにできないもの、できることを細かく見直すことをおすすめします。
どのような業種でも、メールの返信や資料作であればテレワークでの対応が可能になることも。また、さまざまなものをクラウド化するのもおすすめです。契約書や資料作成、請求書などのクラウド化も検討するようにしましょう。
【解決方法6】評価制度を見直す
テレワークを導入する場合、テレワークで働く社員を公平に評価するには、制度を見直す必要があります。
テレワーク導入時には運用ルールをつくろう
デメリットをカバーするには、テレワークのための運用ルール作成も必要です。
実際に導入してみてから、必要なルールやいらないルールが、見えてくることもあるかもしれません。そのため、定期的にルールは見直すようにしましょう。
ここでは、運用ルールのポイントをご紹介します。会社の状況にあわせながら、ルール決めを行ってみてください。
テレワークの実施場所についてのルール
テレワークは、カフェやコワーキングスペース、自宅など離れた場所で働くことを意味するため、選択肢があります。
テレワークの実施場所は、自宅限定にするのか、コワーキングスペースも容認するのかなど決めておきましょう。自宅以外での勤務を許可する場合は、セキュリティについてしっかりと共有する必要があります。
勤怠管理についてのルール
勤怠管理についても改めて見直す必要があります。フレックス制にするか、勤務時間を決めるか、裁量制とするかなど決めておきましょう。
勤務時間やフレックス制を導入する場合は、始業時間・終業時間の記録はどうするのかも決める必要があります。おすすめは勤怠管理ツールを利用すること。ビジネスチャットや、メールなどで報告する方法のも1つの手段です。
業務管理についてのルール
進捗状況の報告をルールとして設ける。毎日・毎週など、報告頻度や報告方法も決めるようにしましょう。
また、在席状況の確認も必要であれば、ルールとして設けるようにしましょう。
評価方法についてのルール
常時テレワークで働く社員と、オフィスで働く社員で分かれる場合は、両者ともに公平な人事評価が必要です。特に成果以外も評価につながっている場合は、テレワーク社員が不利になってしまうことも。達成率や成果物の数値化などで評価する定量評価の導入がおすすめです。
また、社員全員テレワークを導入する場合、成果制度の導入を検討してみましょう。
まとめ
感染病拡大や地震、台風などによる自然災害などが起こったとき、テレワークを導入することで、事業継続に役立つと考えられます。
テレワーク導入には、さまざまな問題点もありますが、それらはICTの活用でカバーできるようになってきています。
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