ペーパーレス化の進め方とは?ペーパーレスのメリット・デメリット
2020/09/29 業務効率化業務効率化やエコのために、企業では「ペーパーレス化」が推奨されています。
そのため、クラウドサービスの普及や、在宅勤務の利用が急増したことにより、ペーパーレス化を考えている企業も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ペーパーレス化の進め方やメリット・デメリットについてご紹介します。
ペーパーレスについておさらい
ペーパーレスとは、言葉の通り「紙を減らすこと」です。企業で作成する資料を紙で保存するのではなく、デジタル化してデータとして保存することを指します。
例えば、会議で利用する資料は印刷してまとめるのではなく、PDFデータなどで電子化させます。パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスを使って、会議資料を確認します。
ペーパーレス化のメリット・デメリット
ペーパーレスにするとメリットはあるのでしょうか。また、メリットだけではなく、デメリットもあるのか疑問に思うかもしれません。
ここでは、ペーパーレスにするメリットとデメリットについてご紹介します。
ペーパーレス化にするメリットとは?
【メリット1】コストの削減につながる
資料を紙で作成すると、意外とコストがかかります。資料をインサツするための紙代や印刷機器のメンテナンス費用、資料を送付するための費用はもちろん、保管するための費用が必要です。
ペーパーレスにすることで、今まで利用していた紙を利用することが減るため、紙代や印刷にかかる費用を大幅にカットすることができます。
【メリット2】テレワークのときに戸惑わない
最近は、働き方改革などの影響により、テレワークが導入されはじめています。会議もオンライン化が進んでいますが、資料は紙となると郵送しなければいけない場合もあります。
資料や契約書などをペーパーレスにすることで、完全テレワークでもスムーズに働くことが可能です。
【メリット3】業務効率化につながる
資料を会議に参加する人数分をまとめるのには時間がかかります。また、1年以上前に作成した資料や資料を探すのも、紙だと大変です。キャビネットや棚から、必要なファイルを取り出して、書類を探す手間がかかります。
電子化させることで、まとめる作業は不要になります。資料を探すのも、検索機能が利用できるので簡単に探すことが可能です。
【メリット4】セキュリティ強化につながる
電子化で管理する方が、セキュリティリスクがあるのでは?と思うかもしれません。
実は、電子化させることで、資料の閲覧を制限することができます。社内の中でも公開できない資料や、社外秘である資料を特定の人だけしか見られないように制限が可能です。
紙の資料の場合は、うっかり置き忘れてしまったことにより大事な資料を見られてしまうことも考えられます。そこから情報が漏れてしまうこともあるのです。
必要な人だけしか閲覧できない電子化の方が、実はセキュリティ強化につながります。
【メリット5】電子化することで災害に強くなる
日本では、台風や大雨、地震などによる災害リスクが多い国です。自然災害だけではなく、火災による被害も十分に考えられます。そこで、紙で資料を保管していると、災害リスクに耐えられない恐れがあります。
電子化してデータを保存しておくことで、バックアップしたり複製したりすることができます。バッグアップしたデータは、別の場所に保管しておくことで、災害が起こった際に早期の復旧に役立ちます。
【メリット6】保管スペースの確保が不要になる
ペーパーレスにすることで、資料を保管するための場所を確保する必要がなくなります。キャビネットやラックが不要になり、空間に余裕ができます。オフィス空間の有効活用が可能です。
ペーパーレスのデメリットはあるの?
ペーパーレス化することには多くのメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。
【デメリット1】ITに不慣れだと使いにくい
紙の資料がなくなることにより、資料の閲覧や共有には、システムを利用することになります。そのため、ITが苦手な社員からすると慣れるまでに時間がかかるかもしれません。閲覧システムの利用方法などは、社員で共有しながら行うと良いでしょう。
【デメリット2】電子化できない書類もある
中には、電子化できない書類もあります。例えば、宅建業法における重要事項説明書や賃貸契約書などは、法律上書面を交付することが決められています。このように重要資料などは、ペーパーレス化ができないことがあるため、注意が必要です。事前に書面で交付する必要がある書類を確認しておきましょう。
【デメリット3】導入費用がかかるケースもある
ペーパーレス化は、ランニングコストを抑えることができますが、導入の際は、費用がかかる場合があります。まず、ノートパソコンやタブレットなど、電子化した資料を持ち歩ける端末を用意しなければなりません。
また、情報を守るためのセキュリティソフトの導入が必要になることも。必要な機器や環境がそろっていない場合は、導入コストがかかります。
ペーパーレスでの成功事例
ペーパーレス化をして成功した企業や組織があるのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、ペーパーレス化を導入して成功した企業の事例をご紹介します。
大手製造業での事例
紙を利用した資料の削減、情報漏えいリスクの低減のためにペーパーレス化に取り組んだきっかけだそうです。役員会議にペーパーレス会議システムを導入し、ペーパーレスに成功。
ペーパーレス化したことで年間おおよそ4万枚の用紙削減や、会議の準備負荷が50%軽減するなどの効果を得られたそうです。他にも、会議の集中度がアップしたり、セキュリティ確保ができたりなどの効果もありました。
教育現場でも導入されはじめている
企業の成功例だけではなく、教育現場でもペーパーレス化が進んでいます。教員業務にタブレットを導入したことで、ペーパーレス化に成功した事例です。職員会議での議題の配布資料を紙ではなくクラウドシステムを使用したり、稟議システムを導入したことにより業務改善につながりました。
ペーパーレスの進め方
ペーパーレス化により、業務の効率化やコスト削減などのメリットがありますが、どのようにペーパーレス
では、ペーパーレス化はどのように進めていくのでしょうか。
1.まずは目的を決める
企業がペーパーレス化をする目的はさまざまです。資料の置き場に困っているために、在宅勤務を実現させるためになど、目的を明確にしておきましょう。
目的を決めたら、社内で共有することが大切です。ペーパーレス化は、社員の助けも必要となるため、必ずペーパーレス化の目的と実行手順を共有するようにしましょう。
2.状況を把握する
実際にどのくらいの紙を利用しているのか把握する必要があります。紙を業務で利用することが多い場合は、どのくらいコピー用紙を発注しているのか、確認するとどのくらい利用しているのかが分かります。
3.減らす対象を決める
中にはペーパーレス化できない書類もあります。まずは、どんな書類をペーパーレスできるのか、どの書類をペーパーレスにするのか、対象を決めます。
例えば、社内会議用の資料や、営業の訪問資料などはペーパーレス化することが可能です。顧客との会議資料や個別の提案書などは紙で保存するなどと決めることをおすすめします。
4.ペーパーレス化を進めるための準備を行う
資料を開ける端末の準備
資料をデジタル化させるため、会議ではモバイルツールが必要です。そのため、タブレット端末やノートパソコンなどを準備しなければなりません。
資料を保管するためのシステムを準備する
データを保存するためのクラウドストレージや、ペーパーレス会議システムを用意する必要があります。
ペーパーレス化にするためのポイントとは
経営層を中心にペーパーレス化を進めていく
ペーパーレスの導入を進めていくためには、経営層を中心に会社全体で行う必要があります。
社内でペーパーレス化の推進をしていくためには、経営層からペーパーレスをはじめることをおすすめします。経営層から動いていくことで、従業員にも広がっていくはずです。
まずは、経営層の方々が、会議で利用する資料を電子化させることからはじめていきましょう。
一気にペーパーレスにしようとしない
社内全体でペーパーレス化に取り組むことや、すべての書類を一気にペーパーレス化するのは、難しい場合があるかもしれません。一気にやると、ミスにつながる恐れもあるため、やれるところからはじめるようにしましょう。部分的にペーパーレス化を実践していくうちに、問題点や改善点が見えてきます。
システムを活用する
ペーパーレス化をするには、システムを活用が重要です。会議や打ち合わせが多い場合は、ペーパーレス会議システムの導入がおすすめです。このシステムは、タブレットなどの端末に資料を表示させることができます。それだけではなく、資料にマーキングしたりメモ書きができたりなど、紙の資料と同様に使用することが可能です。
ペーパーストックレスからはじめてみよう
いきなりペーパーレスをはじめるのは、ハードルが高く感じる企業も多いかもしれません。
まずは、ペーパーストックレスからはじめることをおすすめします。ペーパーストックレスとは、「紙のストック」をやめることです。
紙自体は出力して利用するものの、保管は紙ではなく電子化で行う方法のことを指します。
紙で出力した書類は、紙での保管が不要な場合はすぐに破棄し、手元には残さないようにすることで紙を減らしていきます。
まずは、会議で使用した資料から紙でのストックをやめる、個人で所有している書類を紙で保管するのをやめるなどといったことからはじめてみましょう。
まとめ
今回は、ペーパーレス化の進め方についてご紹介しました。
昨今、新型コロナウイルスの影響により、テレワークでの働き方が普及しています。それぞれがオフィスから離れた場所で働くため、紙での資料作成はできません。
また、契約書へのサインも難しいのが現状です。そこでペーパーレス化させ、システム上で資料を確認できるようになると、テレワークでも資料の確認や契約書へのサインが可能になります。
ペーパーレス化は、現代の新しい働き方に対応するために必要な取り組みといえます。今後、ペーパーレス化が必要になってくると思いますので、はじめられることからはじめてみましょう。

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