コールセンター業務はテレワークできる?注意点や事例をご紹介!
2024/07/09 テレワークテレワーク制度が多くの企業で普及していますが、現状は難しいと思われている企業や業種もあります。
そこで今回は、コールセンター業務でもテレワークができるのかどうか、解説していきます。
コールセンター業務にテレワークを導入しにくい理由
近年、働き方改革の影響や感染症予防のために、オフィスに出社せず自宅で仕事をする在宅勤務やテレワークを取り入れる企業が増えてきました。
しかし、どの企業・業種にもテレワークができるというわけではありません。中でも、コールセンターの業務は、テレワークがしにくいと思われがちです。その原因を見ていきましょう。
理由1.電話番号・フリーダイヤルの共有が困難
コールセンター業務を行う際に利用する電話番号・フリーダイヤルを社外で利用するのが困難な点です。社内では、PBXという機器を設置しているため、内線や外線を制御しています。
PBXが設置されているおかげで、オフィスの複数の端末で内線を受け取ったり外線を取ったりすることができます。
しかし、テレワークとなるとPBXが設置されているオフィスから離れた場所からは会社の電話番号が使えないというデメリットがあります。
理由2.携帯番号ではお客さまが不審に思ってしまう
社用のスマートフォンを使って対応するという手段もあります。しかし、携帯電話からの発信はお客さまからすると不審に感じてしまうことも。お客さまに連絡したいときにつながらないなどのデメリットがあります。掛け続けなければいけない社員にとっては負担になってしまうことも。
理由3.他の担当者につなげることができない
テレワークでは内線など取り次ぎができないため、他の担当者につなげることができません。トラブルにより上司につなぎたい場合や、担当者が異なる場合などは掛け直す必要が出てきてしまいます。トラブルへの対応が遅れてしまうと、信用を失ってしまう恐れも。
こういった対応の遅れが考えられるため、テレワークの導入がしにくいというデメリットがあります。
理由4.セキュリティ面の不安
コールセンター業務は、個人情報を扱うこともあります。そのため、オフィスから離れて働く場合、個人情報の漏えいが心配になるでしょう。
パソコンを外部に持ち出すため、監視しにくくなり、情報が漏れてしまうのでは?という不安があるのではないでしょうか。マルウェアやウイルスによる外部からの攻撃により、パソコン感染や、情報を盗み見などが気になるという場合もあるでしょう。
コールセンター業務はテレワークできないのか
コールセンターの業務は、さまざまな理由からテレワークがしくにいといわれています。では、コールセンターは、本当にテレワークができないのでしょうか。
工夫すれば導入も可能
電話の発信や受信の業務は、テレワークが難しいという考えがあります。しかし、近年ではさまざまなツールが誕生したことにより、コールセンター業務でも工夫をすればテレワークができるようになってきています。
実際にコールセンター業務もテレワークを導入している企業が増えてきています。従来では難しいと考えられてきた業務にも、テレワークが導入しやすくなってきています。
テレワークを導入するメリット
テレワークを導入するメリットとしては、リスクを分散できることが挙げられます。災害発生時や、感染症拡大によりオフィスでのオペレーター対応が難しい場合、営業を停止しなければなりません。長期間の営業停止を求められれば、大きな損失を生むのはもちろん、お客さまも不安に思ってしまうことも。長期間の営業停止リスクは、会社にとってもお客さまにとっても不安です。
そのため自宅やサテライトオフィスで対応できるようになれば、対応できるスタッフが業務を行うことができ、営業を迅速に再開することができます。
他にも、人材確保がしやすくなります。育児や介護の合間に働きたいという方も多くいらっしゃいます。在宅で勤務できるようになれば、働きやすいという方が多いです。そのため、在宅勤務制度(テレワーク)を導入することで、人材を確保しやすくなると考えられます。
コールセンター業務にテレワークを導入するコツ
コールセンター業務にテレワークを導入する場合、「クラウドシステム」の活用が必須といえます。
パソコンなどの端末や備品
まずは、一人ひとりにノートパソコンを用意する必要があります。セキュリティソフトを導入したノートパソコンが必要でしょう。他にも必要であれば、スマートフォンやタブレットも用意します。社内会議をすることもあるのであれば、WEBカメラがついたパソコンだと顔をあわせてオンライン会議ができます。WEBカメラのついたノートパソコンだと便利でしょう。
さらに必要なのがヘッドセットです。コールセンター業務をする上で欠かせないアイテムです。こちらも在宅する人数に合わせて用意しておく必要があります。
セキュリティ対策をしっかりと行う
セキュリティ対策は、セキュリティソフトの導入だけではありません。セキュリティ対策が実行されている無線LANを利用する、OSやウイルスソフトは常に最新の状態にしておく、VPN(仮想専用線)を利用するなどもセキュリティ対策の1つです。
他にも、情報の盗み見から守るためにクリアスクリーンポリシーを設定したり、配布する端末などに紛失対策を施すなどいった取り組みも必要となります。
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仮想デスクトップとは、クラウド上に置かれたデスクトップのことです。手元の端末からインターネットを通じて、クラウドにあるデスクトップにアクセスします。デスクトップがクラウド上にあるため、端末に情報が残りません。また、システム管理者が一括で管理できるのもメリットです。セキュリティ対策を一括で行うなどといったことができます。
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クラウドPBXを活用する
これまでのPBXは、機器をオフィスに設置するのが一般的でした。そのため、テレワークが難しかったのですが、この問題を解決してくれるシステムがあります。それが「クラウドPBX」です。
クラウドPBXは、名前の通りPBXのシステムをインターネットのサーバー上に構築します。そのため、インターネットがつながる端末であれば、内線・外線を取れるようになります。利用できる端末は、スマートフォンや、パソコン、タブレットなどです。共通の電話番号を利用できるため、個人のスマートフォンを使う必要がありません。
また、クラウドPBXは履歴が全てクラウドに保存されます。利用している端末には保存されません。掛かってきたお客さまの電話番号を非表示にもできます。
音声についても暗号化されますが、録音機能が備わっているシステムもあり、安全性を守りながらもオフィスのときと同様のシステム構築が可能です。
クラウドCRM・クラウドCTIの利用もおすすめ
CRMは、コールセンターには欠かせない顧客情報を一元的に管理する顧客管理情報システムです。こちらもクラウドタイプを利用することで、情報共有をスムーズに行うことができます。自社でサーバーを管理する必要がなくなるため、導入コストやランニングコストを抑えることができます。
他にも、顧客の電話と同時にパソコンに情報の表示や、通話を録音してくれるシステムであるCTIもクラウド化させることが可能です。クラウドCTIは、クラウドPBXとクラウドCRMと連携してくれて、テレワークでもスムーズに業務をこなすことができます。
社内のコミュニケーションツールはビジネスチャット
テレワークだと社員同士のコミュニケーションが取りにくくなってしまいます。
そのため、社内のコミュニケーションツールとして、ビジネスチャットの導入がおすすめです。ビジネスチャットには、オンライン通話システムもあるので、社内会議に利用することができます。ちょっとした質問や、会話をするにはおすすめのツールといえるでしょう。
コールセンター業務のテレワーク事例
コールセンター業務でもいくつかテレワークの導入に成功した事例があります。ここでは、その事例をご紹介します。
コールセンター業務のテレワーク事例1.保険会社の導入事例
ある保険会社では、コロナ禍をきっかけにコールセンター業務も含めた全ての部門にテレワークを導入しています。東日本大震災をきっかけに、在宅勤務の実現をすすめてきたそうです。
コールセンター業務では、仮想デスクトップの活用・クラウドPBXを導入。さらに事前研修を行ったそうです。導入前に在宅での勤務を想定して、システムの使い方を研修したことでスムーズに導入が可能になったそうです。
ノートパソコンなどの端末はもちろん、在宅に必要になる机やイス、モニターなども一律で金銭補助を行ったとのことです。
こうしたシステム作りを行ったおかげで、コールセンターであっても8割は在宅勤務ができたという事例です。
コールセンター業務のテレワーク事例2.ソフトウェア開発会社の導入事例
ソフトウェア開発会社でも、コールセンターにテレワークを導入した事例があります。大型の台風をきっかけにテレワークを導入したそうです。テレワーク時は、コールセンターを一部縮小させ、クラウドの電話システムを利用して、対応を行ったそうです。
テレワークを導入できた事例では、やはりクラウドシステムを活用した対応が多いようでした。時間や場所を問わず利用できるクラウドシステムは、テレワークをする上で必須のシステムともいえるでしょう。
コールセンター以外でテレワークの導入に成功した事例紹介は以下の記事で詳しく紹介しています。
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まとめ
今回は、コールセンターのテレワークについてご紹介しました。
コールセンターであっても工夫をすれば、テレワークを導入することができます。そのためには、まずクラウドPBXやクラウドCRMなどのシステム構築が必要です。
他にも、ノートパソコンやセキュリティソフト、ヘッドセットなどもテレワークをする上で必要になります。
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