BYODとは?私物端末を業務利用するメリット・デメリット
2024/11/13 業務効率化公開日 2020年2月14日 | 最終更新日 2024年11月13日
感染病の拡大予防や通勤ラッシュの混雑回避のためには、在宅勤務の導入を検討する必要があります。
また、災害時出社できず業務を進められないときも、在宅で仕事ができると安心感があるでしょう。
そのため、在宅勤務の導入を急いでいる企業も増えてきているのではないでしょうか。
とはいえ、環境を急いで整えることは難しいと思っている方も多いはずです。そこで今回は、BYODについてご紹介します。
BYODって何のこと?
BYOD(Bring Your Own Device)とは、社員が個人(プライベート)で所有しているパソコンやスマートフォン、タブレットを業務利用することを指します。
これまで、私物の端末を利用することは、情報漏えいにつながることもあったため、業務中の利用は禁じられていることがほとんどでした。
しかし、スマホやタブレットが普及し、メールやスケジュール管理、ビジネスチャットなどにモバイル端末を用いることが一般的になっています。そのため、現在は、社員がプライベートで利用している端末を業務で使用せざるおえない状況ともいえます。
また、感染症拡大を防ぐために、出社する人数を減らすために急いで在宅勤務の導入を考えている企業も多いのではないでしょうか。急いで在宅勤務を導入したいけどノートパソコンなどの端末が間に合わないときにも、BYODの活用も1つの手段です。
BYODを導入するメリット
社員の私物端末を導入するとなると不安があるかもしれません。まずは、BYODを導入するメリットから見ていきましょう。
企業側のコスト削減
社員1人ひとりに、タブレットや、社用携帯などを普及するとその分、コストがかかります。働く社員の数が多ければ多いほど、コストがかかるのは確かです。社員がもともと使っていた端末を業務に利用することで、企業側はコストがかからなくなるというメリットがあります。
在宅勤務が導入しやすくなる
BYODを導入することで、社員が自宅のパソコンを利用して仕事が可能です。急いで在宅勤務制度を導入したい、と考えている場合にはBYODの導入を検討しても良いかもしれません。
業務の効率化に期待できる
社員の私物端末なので、使い慣れている場合がほとんど。新しいパソコンや端末を支給するのも良いですが、使い慣れるまでに時間がかかってしまうこともあります。使い慣れた端末を導入することで業務の効率化に期待できるのです。
シャドーITの抑制
会社側に無許可で私物端末を利用し、業務を行うことをシャドーITといいます。シャドーITが利用されていると、会社側ではセキュリティ管理ができず、情報漏えいなどのトラブルにつながってしまう恐れもあります。
BYODを導入することで、端末を適切に管理することが可能です。無許可で私物の端末を利用しなくてよくなるため、シャドーITの抑制につながるといわれています。
BYODのデメリットとは?
BYODの導入にはさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。次にBYODのデメリットを確認していきましょう。
情報漏えいのリスクが高まる
企業側で、私物端末の利用も管理できるとはいえ、個人の所有物であることには代わりありません。利用場所を問いませんし、インターネットのアクセス先などが広範するため、情報漏えいのリスクが高くなってしまいます。
社員の公私の切り替えが難しくなる
社員は、私物のスマホやタブレット、パソコンを利用するため、プライベートと仕事の区別がつかなくなってしまうことも考えられます。プライベートの時間も仕事してしまうなど、労働管理が難しくなる可能性もあるでしょう。
BYODのセキュリティはどうする?
デメリットでもあるセキュリティ面のリスク向上。だからといって、BYODを導入することができないわけではありません。しっかりと管理することで、リスクの向上を抑えることが可能です。
まずは運用ルールを決める
BYODを導入するときは、運用についてルールを決めましょう。社員から利用する端末について申請してもらうようにする、業務で利用する際の禁止事項などを決めておくと安心です。
運用については、就業規則にも明記しておきましょう。BYODを利用する際の申請手順、費用の負担についてなど、BYODの利用について就業規則に反映することをおすすめします。
セキュリティ意識を向上させる
情報漏えいを防ぐには、社員1人ひとりのセキュリティ意識がとても重要です。セキュリティ対策をしていても、パスワードは強固のものに設定すること、データは端末に保存しないなどのセキュリティポリシーを理解する必要があります。そのため、事前にセキュリティ教育をして、社員の意識を高めることも良いでしょう。
管理ツールを活用する
モバイルデバイスなどを管理できるツールがあります。申請された端末以外での業務を不可にさせたり、情報を暗号化させたりすることができます。管理ツールを活用して、セキュリティを向上させるのも1つの手段です。
よく利用されている管理ツールは、主にモバイル管理やモバイルアプリケーション管理、モバイルコンテンツ管理の3つです。
・モバイル管理(MDM)
モバイル管理とは、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスを管理するツールのこと。複数の端末を一元で管理することが可能です。遠隔操作も可能なので、盗難や紛失時はリモートロックがかけられたり、工場出荷時と同じ状態に戻したり(リセット)することができます。
・モバイルアプリケーション管理(MAM)
モバイルアプリケーション管理は、端末に入っているアプリケーションの管理を行うシステムのことを指します。
・モバイルコンテンツ管理(MCM)
モバイルコンテンツ管理とは、アプリケーションの中身を管理し、保存されたデータなどを管理できるツールのことです。
最近では、この3つの管理ツールがすべて一緒になったエンタープライズモビリティ管理(EMM)というツールも登場しています。
おすすめは、Microsoft社が提供している「Microsoft Intune」です。Microsoft Intuneでは、モバイルデバイス管理(MDM)、モバイルアプリケーション管理(MAM)、PC管理が可能です。
BYODの導入成功事例
とあるアパレル企業で、BYODが導入されました。この企業では、義務化されていませんが、希望を出せば利用できるようになっています。従業員が私物のスマートデバイスから社内システムへアクセスできるようになっていて、業務メールやスケジュールなどの確認が可能です。出先で業務データを確認できるようになるため、一旦戻ってデータを活用する必要がありません。利便性や生産性の向上に期待されています。
もちろん、セキュリティ面でのリスクが高まります。そのため、専用のプラットフォームを活用。社員のスマホにデータが残らないような仕組みになっています。
また、BYODを導入の際は、社員と企業の間で労務や通信費について合意を取っています。未然にトラブル防ぐための対策も行っています。
まとめ
今回は、BYODについてご紹介しました。
社員の私物端末を業務で利用することは、少しためらう部分があるかもしれません。しかし、すぐに在宅勤務を導入したい場合には、便利なシステムです。運用ルールを設けて、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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