SaaSとIaaSの違いは?クラウド用語の意味や役割を紹介
2020/03/16 SaaSSaaSとIaaSは、共にクラウドサービスの種類の1つです。この2つは意味が明確に異なります。
ここでは、それぞれの意味について、他のクラウド用語と共に見ていきましょう。また利用例なども紹介しますので、今後の業務に役立ててください。
クラウド用語が増加中
ITの急激な発展は、クラウドサービスにも影響をしてきています。エンドポイントをはじめ、企業におけるクラウドの在り方が大きく変化していることから、クラウド関連の用語が増加しているのです。
クラウドがどのような現状にあるのかを詳しく見ていきましょう。
クラウド市場の拡大で専門用語が増加
IDC Japan株式会社によれば、2018年のクラウド市場規模は、前年比27.4%増の6663億円とされていて、2022年の市場規模は1兆4655億円になるいう推測が出されています。
IT技術の発達や個人が複数のデバイスを持つようになったこと、紙媒体のデータよりもはるかにセキュリティ面が向上していることなど、さまざまな要因が考えられます。
市場規模の拡大に合わせ、クラウドにおける専門用語が増えているようです。
クラウド利用が前提アプリケーションの実装を指す『クラウド・ネイティブ』やオンプレミスとクラウドサービスを複合させた『ハイブリッドクラウド』などの言葉が新たに生まれています。
最新技術やトレンドの把握が重要
クラウド市場は急速な変化を遂げつつあり、その発展は通常のマーケティングにも大きな影響を及ぼしています。
例えば、マーケティングの効率化を目指ためのPDCAサイクルという言葉がありますが、ITの発達によりコミュニケーションとフィードバック能力の向上が期待できることから、スピードが重要だという『DevOps』という言葉も生まれています。
こういった言葉を把握することで、現状のトレンドや中核技術をうかがい知ることが可能です。
基本のクラウド用語を理解しよう
トレンドや最新技術を理解するためにも、クラウドの基礎用語について身につけておきましょう。SaaSとIaaSの意味、そしてその違いについて解説します。
SaaS
SaaSは『Software as a Service』の略で、サース、またはサーズと読みます。事業者が稼働しているソフトウェアを、ブラウザなどインターネットを通じて利用する仕組みのことです。
一般的にクラウドサービスと広義的に括る場合はSaaSを指すことが多く、デバイスへのダウンロードが不要でどこからでも利用できるのが、SaaSの主な特徴です。GmailなどのWeb上で利用できるメール機能やSNSがこれに該当します。
ASPという言葉ともよく比較されますが、意味としては大きな違いはないようです。ただ、ASPという言葉は古く、ASPで指摘されていた欠点などを補い、新しく生まれた言葉がSaaSという認識が一般的になります。
IaaS
IaaSは『Infrastructure as a Service』の略で、『イアース』『アイアース』と読みます。仮想サーバーやネットワークなどのインフラをインターネットを通じて提供する仕組みのことを指します。
IaaSが提供しているのは、ソフトウェアの土台ともなるべき部分です。SaaSやPaaSの場合は、ある程度事業者側が作り上げたパーツを利用することになりますが、IaaSはそういったものは利用者側で用意する必要があります。
IaaSとして例を挙げれば、後に紹介しますが『AWS』や『Google Compute Engine』などが該当するでしょう。自社サーバーやハードウェアを必要とせず、好きな時にネットワークリソースを利用できるのがメリットになります。
SaaSとIaaSの違い
前述の通り、SaaSとIaaSは同じクラウドサービスでも役割が大きく異なっています。一言でそれぞれを表すなら、SaaSがソフトウェアの提供であることに対し、IaaSはソフトウェアやシステムを開発するためのインフラを提供するものです。
例えるなら、SaaSが家だとすればIaaSは土地です。SaaSはすでにできあがっている家を利用するのに対し、IaaSはまず土地に何を建てるのか開発計画から行います。IaaSの方が自由度は高いのですが、その分専門知識が必要です。
クラウドサービスの具体例
実際、クラウドサービスがどのように使われているのかその具体例を紹介します。
アマゾンAWS
上で紹介したように、AWS(アマゾン ウェブ サービス)はアマゾンが提供しているIaaSです。アマゾンが保有している最新の技術を利用することができます。
EC2やLamdaといったサービスがあります。現在は1年間の無料利用枠などを提供していて、比較的始めやすいサービスのようです。
マイクロソフト・アズール
Microsoftが提供しているAzureは、こちらもIaaSのサービスになります。Microsoftの高度な技術とセキュリティが利用でき、AWSと比較されることが多いようです。
世界に36拠点を持ち、Office 365と連携できるというのもAzureの強みでしょう。Office 365にはAzure adが含まれているため、統合することが可能です。
グーグル・クラウド・プラットフォーム
こちらはGoogleが提供しているIaaSであり、GCPなどと略されることが多いです。Gmailと同じインフラを低コストで利用できることから利用者も多く、安定したパフォーマンスを提供しています。
しかし、ライセンス利用について上の2つと大きな差があり、GCPではRDBMS、ライセンス利用がMySQLのみであることから、商用ライセンスのサポートが必要な場合は、上2つを選択することになるでしょう。
まとめ
クラウドサービスと一口に言ってもソフトウェア自体を提供してくれるSaaSや、開発環境を提供するIaaSなど、その種類は様々です。IT技術の発達によって、クラウドの市場規模は今後も大きくなっていくことが予想されます。
市場規模の発展に伴い、クラウド技術自体も発展していくことが予想されますので、企業として取り残されないよう、最新のトレンドについては把握しておくことが必要です。
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