Office 365(現Microsoft 365)には、さまざまなプランが用意されています。中でも、E3プランは大企業・大人数向けのプランです。
この記事では、E3プランには、どのような特徴を備えているのかを具体的にご紹介します。
Office 365(現Microsoft 365)とは
Office製品の中でも、Office 365を利用する方が法人・個人問わずに増えています。
Office 365とは何でしょうか?まずはその概要から迫っていきましょう。
Microsoft のサブスクリプション型サービス
Office 365(現Microsoft 365)は、Microsoft社で提供しているサブスクリプション型のサービスです。
従来のOffice製品は買い切り型で、Office製品を購入し、PCに取り込んでから利用するのが一般的でした。
サブスクリプション型は、簡単に説明すると定期購読という意味で、利用期間に対してお金を払うサービスのことをいいます。
音楽や動画サービスなどでも利用されている方式のため、聞き慣れている方も多いのではないでしょうか。Office 365もこれらと同様に、購入するのではなく定額制で利用できるサービスです。
Office 365の支払い方法は、年額または月額のどちらかを選ぶことができます。
Office 365(現Microsoft 365)とOffice 2019の違い
パッケージ版の最新は「Office 2019」です。Office 2019とOffice 365(現Microsoft 365)で機能や利便性がどのように異なるのかを検証してみましょう。
ライセンス数の増減が可能
Office 2019を購入した場合、ライセンス数は追加のみ可能という規定があります。一方で、Office 365のライセンスは、増減が可能です。
今回ご紹介するOffice 365 E3プランは、300人以上のユーザーが利用することを前提としていて、無制限でライセンスの作ることができます。Office 365 E3プランでは、入社や退職などによるライセンスの増減は、管理者が管理画面から一括で管理することが可能です。
常に最新バージョンを利用可能
Office 2019のようなパッケージ版の場合、一度購入すれば永続利用できるというメリットがあります。しかし、新機能が開発されても、それを利用するには新たなパッケージを買わなければなりません。
一方、Office 365は常に最新のバージョンに自動的にアップロードされ、機能や仕様も常に最新のアプリやサービスを利用できます。これは、Office 365の大きなメリットです。
最新のバージョンを利用できるのは、機能面での利便性があるのはもちろん、さらに重要になるのがセキュリティです。Office 365の場合はセキュリティ面でのデータも常に更新されるので、新しいマルウェアなどの脅威に対しても対応が可能になります。
複数デバイスにインストール可能
Office 2019もOffice 365(現Microsoft 365)も、どちらも1ユーザーの利用で複数のデバイスにインストールが可能ですが、仕様には大きな違いがあります。
Office 2019の場合、元からPCに導入されているものについては、そのライセンスを使って新しいデバイスにダウンロードすることは基本的にはできません。ライセンスを追加する場合も、デバイスは2台までと制限があります。
一方、Office 365の法人向けプランの場合は、同一のライセンスから同時利用ができるデバイスの台数はパソコン5台、スマートフォン5台、タブレット5台の計15台までです。
個人向けのOffice 365の場合は、インストール台数は無制限(ただし一度にサインインできるのは5台まで)となっています。
近年、クラウドサービスの普及によりオフィス外でも仕事ができるようになってきました。
そのため、デスクトップのパソコンではなく、ノートパソコンやタブレットなど持ち歩けるデバイスを複数台は持っている方が増えてきているのではないでしょうか。
Officeアプリを利用する方は、複数台にインストールが可能なOffice 365の利用が適しているでしょう。
ただし、Office 365は複数台で利用することができますが、1ライセンスを複数のユーザーで利用することは規約違反になります。必ず、1ライセンスにつき1ユーザーで利用しましょう。
Office 365 E3とMicrosoft 365 E3について
Office 365は、2020年4月に名称を「Microsoft 365」変更したため、一部のプランも名称が変更されています。これはもともとあったMicrosoft 365と統合したことにより、変更されたものです。
一方で、Microsoft 365のEnterpriseプランの中で、統合せずに一部の名称がそのままになっているプランもあります。E3プランもそのうちの1つで、名称は変更されずに「Office 365」のままです。
実は、Office 365のE3と似たプランで、「Microsoft 365 E3」も存在しています。そのため、混在している方も多いかもしれません。
ここでは、Microsoft 365 E3とOffice 365 E3の違いについてご紹介します。
Microsoft 365 E3とOffice 365 E3の違いとは
Microsoft 365 E3とOffice 365 E3どちらも、利用できるサービスやアプリは一緒です。デスクトップ版Officeアプリや、Teams、OneDrive、Outlookなどビジネス必要なサービスが含まれています。
決定的な違いは、Microsoft 365 E3には、高度なセキュリティや管理機能が備わっていることです。
また、高度なサービスが備わっていることにより、料金も異なります。
Microsoft 365 E3とOffice 365 E3の料金プランを比較
・Microsoft 365 E5:1ユーザーあたり3,480円(年間契約の場合の月額料金)
・Office 365 E5:1ユーザーあたり2,170円(年間契約の場合の月額料金)
Microsoft 365は、Office 365と比較すると高度なセキュリティやデバイス、最新のWindows OSなどが搭載しています。基本的な機能は変わりませんが、より高度な機能を求める場合は、Microsoft 365が適しているでしょう。
Microsoft 365がテレワークに向いている4つの理由
テレワークのようにオフィスから離れて仕事をすると、チーム内のコミュケーション不足や、セキュリティの不安などの課題があります。実はMicrosoft 365ではそれらの課題を解決してくれる事はご存知ですか?
Microsoft 365が持つテレワーク実施時に絶大な効果を発揮する機能を紹介させて頂きます。
コミュニケーションツール「Teams」がそなわっている
Microsoft 365には、コミュニケーションツールであるTeamsが付属しています。
Teamsは、社内でのコミュニケーションを活性化するためのビジネスチャットはもちろん、Web会議も可能です。社内でのちょっとしたやり取りから、ミーティングまでオンラインでできます。
高度なセキュリティ機能
Microsoft 365には、マルウェア対策機能、資格情報の保護、行動分析に基づく脅威の検知、ファイル・メールの閲覧や操作を保護する情報漏えい対策機能など、高度なセキュリティがそなわっています。また、常に最新状態で利用できるため、安心してオフィス外でも利用できます。
ファイルやデータの共有が楽に
Microsoft 365には、オンラインストレージサービスのOneDriveやSharePointを利用してすぐに情報共有ができます。Officeドキュメントで作成した資料をすぐにチームに共有できますし、共同で編集することも可能です。オンラインストレージは容量も大きいので、大量のデータも格納できます。
複数のデバイスで利用できる
Microsoft 365はビジネス版の場合、1ライセンスにつき、パソコン5台・スマートフォン5台・タブレット5台までインストールすることが可能です。スマートフォンやタブレットを利用して資料を確認したいときにも、利用することができます。
テレワークが導入されたことにより、デスクトップパソコンからノートパソコンを利用する場合もスムーズに移行することが可能です。
まずはテレワーク導入チェックリストをご活用ください!
今回ご紹介したMicrosoft365以外にもどんなツールを導入すべきなのか?何が必要なのか?自社にあったツールや重要なポイントをセルフチェックできるチェックリストをご用意しました。
ぜひ、テレワーク導入を検討している際にはテレワーク導入チェックリストをご活用頂きまして最新のツールや導入の失敗を回避する知識をつけて頂ければ幸いです。
Office 365 E3でできること
Microsoft 365の法人向けプランには、大きく分けると「Business」と「Enterprise」があります。
この2つのプランの違いは、Businessプランが300人以下の中小企業向けであるのに対し、Enterpriseは300人以上で利用するための大人数向けのプランであることです。
E3はEnterpriseのプランに属し、大人数で利用するためのさまざまな機能が組み込まれています。E3プランには、どのような機能があるのかを詳しく見ていきましょう。
OfficeアプリとExchange Onlineの利用
E3プランでは、次のOfficeアプリが利用できます。
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Outlook
- Access
- Publisher
これらのアプリが常に最新のバージョンにアップされ、ユーザーに対し提供されています。
他にも、メールソフトであるExchange Onlineをはじめ、チャットメッセージや大人数でオンライン会議ができるMicrosoft Teamsなどの多くの人数で利用することを前提とした機能が備わっています。
容量無制限のOneDriveストレージ
OneDriveは、オンラインストレージといわれるサービスです。文章データや画像、動画ファイル、その他にもさまざまなデータをオンライン上で管理できます。
OneDriveは、PCの容量を圧迫することなく大量のデータをインターネット上で保存・管理ができ、それを複数のデバイスからアクセスすることが可能です。管理者の許可があれば、複数人でファイルを共有することもできます。
このような機能を備えたOneDriveのストレージを、E3プランは無制限に利用可能です。OneDriveの無料プランでは50GB、有料プランでも1TBであるのに対し、これはE3プランの大きなアドバンテージといえるのではないでしょうか。
Azure AD対応で高セキュリティ
Office 365は、Azure AD(Azure Active Directory)にも対応しています。Azure ADはライセンスとIDを管理するサービスです。
Office 365をはじめとした何千というアプリへの一括ログインや、利用するアプリケーション自体の管理も容易になり、利用する社員にとってアプリケーションを使いやすい環境を提供できます。
セキュリティ面でのメリットも大いにあるようです。デバイスの管理、多要素認証、アクセスログの確認も行えるため、外部からの不正アクセスを遮断し、不審な点があれば履歴に残ります。
Office 365 E3を他プランとの比較してみよう
EnterpriseにはE3プランの他に、Microsoft 365 Apps for enterprise(旧Office 365 ProPlus)・E1・E5というプランがあります。それぞれにプランの違いについても見ていきましょう。
より豊富な機能を求めるなら「Office 365 E5」
E5プランは、E3より1つグレードが上のプランです。1ユーザー当たりの金額も上がりますが、その分、多彩な機能が備わっています。
業務時間をどのように活用しているかを分析するMyAnalyticsや組織内で利用しているクラウドアプリの管理と保護を目的としたCloud App Securityの利用が可能です。
セキュリティやガバナンスの性能がE3以下のプランよりも多く、大人数の管理がしやすくなっています。
Microsoft 365 Apps for enterprise(旧Office 365 ProPlus)プラン・E1プランとの違い
E3の下には、Microsoft 365 Apps for enterprise(旧Office 365 ProPlus)と、E1というプランがあります。
Microsoft 365 Apps for enterpriseは、上記で紹介したE3プランにおけるWordやExcelといったデスクトップ版のOfficeアプリがすべて利用可能です。しかし、その他のサービスとして使えるのはOneDriveのみで、利用上限が1TBと決まっています。
E1プランについては、デスクトップ版のOfficeアプリが一切利用できません(Web版は利用可)。その代わりに、Microsoft 365 Apps for enterprise では利用できないExchangeやMicrosoft Teamsなどのその他サービスが豊富に利用できます。
E3は、このMicrosoft 365 Apps for enterpriseとE1の特性を統合し、さらに利便性が良いプランといえます。
価格は利用機能に比例して上昇
Office 365の利用価格は、基本的に利用機能に応じて上昇しています。
1ユーザーにつき/年間契約の場合、E3が月額2,170円に対し、E5は月額3,810円。
E1の場合は月額870円で、Microsoft 365 Apps for enterpriseは月額1,300円と、この2つの価格を合わせるとE3の利用金額になります(※料金は税抜価格です)。
その他のBusinessプランなども同様の構成です。自社が必要としている機能やサービスに応じたプランを選びましょう。
E1の特徴についてはこちらのコラムでもご紹介しています。
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価格は利用機能に比例して上昇
Office 365の利用価格は、基本的に利用機能に応じて上昇しています。
1ユーザーにつき/年間契約の場合、E3が月額2,170円に対し、E5は月額3,810円。
E1の場合は月額870円で、Microsoft 365 Apps for enterpriseは月額1,300円と、この2つの価格を合わせるとE3の利用金額になります(※料金は税抜価格です)。
その他のBusinessプランなども同様の構成です。自社が必要としている機能やサービスに応じたプランを選びましょう。
まとめ
今回は、Office 365のE3プランの特徴についてご紹介しました。
E3プランは300人以上の法人向けを前提としたプランで、ライセンス利用者が無制限であることや、数百名の会議機能など、基本的に台人数向けの機能が備わっています。
Enterpriseはその他のグレードのプランも用意されています。自社企業に必要な機能を持ったプランを採用して、業務に役立てていきましょう。
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